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由美のヨーロッパ探訪記-住宅・生活あれこれ

 

由美のヨーロッパ探訪記No.12 「変化するハンガリーを訪れて」

ハンガリー共和国は2004年にヨーロッパ連合(EU)に加盟しました。「ベルリンの壁崩壊」と「ソ連崩壊」という出来事は記憶していましたが、その意味をよく理解していませんでした。思えば日本がバブル景気といわれた頃、東欧諸国では共産主義体制に反する民主化の動きが最高潮に達していました。今回は、戦後の歴史を振り返りながら、ハンガリーの変化についてレポートいたします。

ハンガリーといえば旧共産圏というイメージがまだまだ残っているかもしれません。教科書に出てきた言葉、例えば東西冷戦、ワルシャワ条約機構、東側陣営、共産党政権、これらの言葉と関連する国名だけをテスト用に丸暗記していたため、私の中でもこういった印象が残っていました。実際、ブダペストの地下鉄2号線に乗ると、旧ソ連製の錆びた古い車体に薄暗い内部、改札付近や乗換え駅では観光客に対して非常に厳しい切符のチェック(事後清算ができないので料金の足りない切符を持っていれば即罰金)、そして無駄に多い切符検札官の配置、駅や車内には広告がほとんどなく殺風景、やはり共産圏の面影が・・・と感じる部分がありました。これが西欧の国だったらそのように感じなかったかもしれません。

地下鉄2号線の旧ソ連製の車体
戦後に建てられた老朽化したアパート
地下鉄2号線の旧ソ連製の車体
戦後に建てられた老朽化したアパート

近年の歴史をたどると、1980年代中頃からは反共政権が誕生し民主化運動が高まりました。1989年に鉄のカーテンの開放(ハンガリーとオーストリア国境開放)を機に、ベルリンの壁崩壊といった東欧諸国の革命、1991年ソ連崩壊という一連の出来事は記憶に新しいです。

この頃、日本では、株と不動産への投機が過熱し資本主義経済をおもむろに表していました。土地神話、会員権、高級車に高級ブランドといった羽振りのよいお祭り騒ぎは、遠く離れた東欧諸国の人々が自由を得るために必死になっていたのとは正反対でした。ハンガリーで私と同じ世代の人々がレストランで働いているのを見ると、この時代をどう過ごしたのだろうと考えてしまいました。子供の頃からTVゲームで遊び、トレンディドラマや企業CMを真似て遊んで、マクドナルドやハーゲンダッツのお世話になっていた私とは違う幸せもあったのでしょうが、やはり想像できません。

ハンガリーは共産政権崩壊後の市場経済移行に伴い価格統制が撤廃されましたが、最初の5年ほどは毎年20〜30%のインフレに見舞われました。これでも他の旧共産諸国より低い数値で、例えばソ連の一部であったウクライナは独立後1992年に2000%、翌年には10000%超というインフレを記録しています。失業率は一時的に高くなりましたが、海外からの直接投資のおかげで経済は順調に成長していきました。ヨーロッパ社会への復帰を目指し、1999年に北大西洋条約機構(NATO)に加盟、2004年には旧共産圏諸国と共にEUに加盟し新たなスタートを切りました。

ブダペストに最近できたショッピングセンターには、ショップのほとんどが欧米の有名企業のものです。高級ブランドではありませんが現地人にはまだまだ高いようで、週末でも閑散としていたのに驚きました。レストランは閑古鳥、ファーストフード店と100円程のアイスクリーム屋だけが繁盛していました。レストランだって日本人には安いのです。そんな生活水準ではありますが、ブダペスト中心ドナウ川沿いのカフェやレストランの高さには一瞬「ぼられた!?」と疑いたくなるほどでした。たった2キロ離れたショッピングセンターに比べ3倍ほどの価格は、銀座も顔負けの値段でした。こういった現地人価格と観光地価格の差が縮小できた時、本当の意味での欧米の仲間入りとなるのではないでしょうか。  
ショッピングセンターのフードコート

ショッピングセンターのフードコート

ブダペストの街並は、中世に造られた建築物がドナウ川沿いに建ち並び、その美しさに魅了されます。特に夜景は美しさを増す反面、神秘的でどこかもの悲しい一面を醸し出しているようにも思えます。まるで、ハンガリー王国の繁栄と衰退、オーストリア=ハンガリー二重帝国の崩壊、ソ連影響下でのハンガリー人民共和国、といった各帝国の支配下に入り、分断と併合の連続だったこの地域の歴史を物語っているかのようです。こんなところに、西欧とは一味違うものを感じるのかもしれません。

ライトアップされた王宮とドナウ川を渡る橋
ライトアップされた王宮とドナウ川を渡る橋はため息もの。ブダペスト観光でのハイライトです。

(注:ハンガリーの地下鉄1号線は1896年、ロンドンに次いでヨーロッパで2番目に開業されました。2・3号線は共産政権下に開業。ソ連崩壊後は、旧東欧であったチェコ、スロバキア、ポーランド、ハンガリーは中欧と呼ばれています。)



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