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由美のヨーロッパ探訪記-住宅・生活あれこれ

 

由美のヨーロッパ探訪記No.16 「留学を終えて、1年を振り返る」

私が日本に戻った2008年9月、アメリカのサブプライム問題を発端とした最悪の金融危機が世界規模で起こってしまいました。毎日のように耳にする言葉:金融破綻、世界経済の低迷、景気後退、不動産価格の下落などは、日本でもアイルランドでもアメリカでも、世界共通です。海外で暮らすにはビザ(査証)が必要で、国境を越えた人々の移動には制限がありますが、経済の結び付き、とりわけお金の流れに国境は存在しないものだと実感しました。

スペインのリゾートマンション。途中で建設中止になりました。

スペインのリゾートマンション。
途中で建設中止になりました。

アイルランドやイギリスでは、不動産ブームのもとで放送されていた不動産関連のTV番組が、最近では料理番組やリサイクル関連のものに変わりました。これらの国では、本国の不動産はもちろん、地中海沿いの国々の別荘を取り上げた番組がトレンドでしたが、去年あたりからは「自宅やセカンドハウスをどうやって売るか」を焦点とした番組に変わり、今となっては経済の動向に左右されない無難な料理番組にたどり着いたと言えます。本国の不動産の低迷はもちろんですが、二次的に影響を受けたのはスペインの建設産業です。別荘は売れず、労働者は解雇となり、建設業の失業率は大幅に上昇しました。アイルランドの賃貸価格(家賃)に関しては、今年の4月からの半年で、平均10%ほど下落しています。さらに直接交渉の値引きを考慮すると、その下落はかなりのものだと思われます。

 

欧州連合(EU)の動きを見ると、旧東欧諸国がEUに加盟し、アメリカ・ロシア・アジアに対抗できる強大な経済大国を築きあげています。経済統合とヨーロッパ社会の結束・発展を目指しているものの、本当に統合できるのかは疑問です。EU圏内の27カ国での経済格差は顕著です。各国の国内での貧富の差も激しく、国内の貧富の差をどう解決するか、それぞれの政府が重要な課題としています。例えばアイルランドでは、中産階級と貧困層が同じ地域に住むことはありません。社会的階級のゾーニングは徹底されています。貧困層が住む場所は危険で、タクシーの運転手ですら通りたくないエリアもあるほどで、日本人の私は行かせてもらえませんでした。このような状況で、欧州連合を1つの国とみなすことができるのか、見ていきたいところです。

 
アイルランドでのゴーストハウス。売れない空っぽの家が立ち並びます

アイルランドでのゴーストハウス。
売れない空っぽの家が立ち並びます

ユーロ・円相場ですが、7月に1ユーロ=170円というユーロ高を記録し、最近では1ユーロ=150円を割る急激なユーロ安が気になるところです。原油価格が最高値を記録したのも7月でした。原油価格の下落とユーロ安は連動しているかのように、原油価格も下がってきました。

今年になって食品の価格が次々に上がりましたが、日本に戻った私を愕然とさせたのは、価格よりも量の少なさでした。例えば6枚入りのスライスチーズは、価格を上げたうえに5枚に減りました。アイルランドでは量が多かったので、日本のグラムあたりの物価の高さを改めて感じました。しかし、日本には安いレストランがたくさんあります。定食屋で日替り定食であれば600円程度、有名なレストランでもランチなら割安感があります。日本国内の観光地であれ、観光客のほとんどは日本人ですから、通常のランチ相場から大幅に高いようであれば誰も食べに行かなくなります。それを常識と思っていると、チェコやハンガリーでは驚くことになるのです。プラハにしてもブダペストにしても、観光地にいる観光客は皆外国人ですから、ランチの高さはアイルランド人も驚くほどです。実質経済に伴わない価格設定には少々納得いかないものがありますが、EUの経済統合の一環だとすれば仕方ありません。

金融不安の震源地、NYのウォール街

金融不安の震源地、NYのウォール街
 

さて、最後にアメリカのサブプライム問題ですが、低所得者や信用の低い人への住宅ローンという本質と、貸付利率が通常より高いという特徴を考えれば、債務不履行のリスクが高くなるのは最初からわかっていたことです。危機の発端は、その債権が高利回りの商品として証券化され、世界の金融機関やヘッジファンドが投資して利益を得ていたことから、住宅ローンの貸し過ぎを促していたことです。ここが同じ「貸し過ぎ」でも日本のバブル崩壊と異なります。日本のバブル崩壊後、日本の金融機関は海外事業を縮小しましたが、そこを狙って外資系金融機関が攻めてその規模を拡大しました。それが今、逆の現象をたどっています。日本の失われた10年の間に、日本は慎重性と健全性を高めてきたはずですが、今ここに来て日本の金融機関が外資攻めの構図に展開し始めたのには戸惑うばかりです。

アイルランド留学中は、経済はアメリカ発のショックの影響を受けた景気後退期でした。しかし、自分への投資として、国際的な視野で物事を見られるようになったことは、最高の収穫だったと言えます。



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